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2013年2月28日 木曜日

親が貯めていたはずの預金がない!!

こんにちは、弁護士の北川ひろみです。

先日、1年以上にわたって担当させて頂いてきた遺産分割の案件
が無事、終了しました。
この案件は、お母様が亡くなられた後、相続人の方が調べたところ、
お母様が貯めていたはずの預金が、ほとんど無くなっていた! 
という事案でした。

預金の払い戻しが、お母様の意思に基づくものであれば、これは
致し方がありません。お母様が自分のために使った場合は
もちろん、誰かに生前贈与したのであれば、それもまた、お母様
の意思として尊重しなければなりません
(但し、特別受益や遺留分等の問題になりえます)。

ところが、時に、果たして本当に被相続人(お母様)が払い戻した
のであろうか? と疑念を持たざるを得ないケースがあります。
例えば、
  被相続人が施設に入所していて、お金の使い途がない、とか、
  被相続人と、払い戻した人は仲が良くないので、贈与するは
  ずがない、
といった場合です。
実は、最近、この種のケースの相談が目に付きます。
金融機関では、通常、払い戻す際に本人確認をしっかりされるの
ですが、中には、ご本人が高齢で、顔見知りのお子さんが代理で
来られる時などに、払い戻しに応じることもあるようです。
そのため、実は、勝手に払い戻されていたというケースもありうる
わけです。

このようなケースでは、まず、
    弁護士法23条の2に基づく「弁護士照会制度」
を利用して、各金融機関から、預金の出し入れの履歴と、払い戻し
伝票を取り寄せます。これらの資料から、誰が、いつ、どこから、
どのような方法で、いくら、払い戻したかが、概ね、明らかになりま
すので、本当に、被相続人の意思に基づく払い戻しかどうかを推測
することができます。
その結果、預金が勝手に払い戻されていたと思われる場合には、
相続人は、払い戻した人に対して、相続分に応じて、返還請求をし
ていくことになります。

逆に、生前贈与で預金をもらったときに、生前贈与の事実を証明で
きないと、勝手に払い戻したと主張されることもあります。
そのため、後々、トラブルにならないよう、贈与契約書など、贈与の
事実がわかる書類を作成しておくが大切になります。できる限り、
トラブルにならないようにしておきたいものです。

話が変わりますが、
  最高裁が、非嫡出子の相続分に関する判断を変更する
可能性が出てきたようですね。
以前、このブログでも取り上げたテーマですが、以前から、非嫡出子
の相続分を嫡出子の半分とする民法の規定について、憲法の法の
下の平等に反するではないかが問題とされてきました。いよいよ、
この点について、最高裁が違憲と判断する可能性が出てきたという
わけです。
最高裁の判断がでたときには、また、このブログでお知らせします。

さあ、明日から、3月です。 日ざしも、日に日に春らしくなってき
ましたので、アクティブに頑張っていきましょう。

投稿者 南舘・北川・伊藤法律事務所 | 記事URL

2013年2月14日 木曜日

「スタンフォードの自分を変える教室」を読んで

こんにちは、弁護士の北川ひろみです。

皆さん、ケリー・マクゴニガル著の
      「スタンフォードの自分を変える教室」
という本をご存知でしょうか。
ここしばらく、書店に行くと、ビジネス本のコーナーか話題作のコーナー
に山積みになっていますので、お読みになったかたも多いと思います。

スタンフォード大学の心理学者が書いた本と聞くと、なんとなくとっつき
にくそうなイメージがありますが、いやいや、とてもおもしろいです! 
人間の意志や行動のコントロール、能力の発揮というものについて、
具体例をあげながら、分析がしてあり、ビジネスマン・ビジネスウーマン
だけでなく、多くのかたにお薦めです。
読み終えると、きっと、
「よし、・・・・・を変えよう」、「そうだ、・・・・・を始めよう」
と思います。そして、それを行動や成果につなげるにはどうしたらいい
かということをこの本は教えてくれます。
お時間があれば、是非、手に取ってみて下さい。

もっとも、
人間の意志や行動のコントロールというものが必ずしも及ばない場面
があります。
相続は、まさに、そうした場面の一つだろうと思います。
亡くなった方が、死後に、ご自分の財産や、経営していた会社などを
コントロールすることはできませんし、残された家族がスムーズにコン
トロールすることもむつかしいです。

できることは、
亡くなる前に、ご自分の財産や会社経営などについての意志を形に
しておき、死後もコントロールできるようにしておく、ということです。

そのための方法として、
生前贈与や遺言、養子縁組をはじめとするいくつかの方法があります。
もし、ご自分が亡くなった後のご家族の生活や財産、会社や事業の
行く末などについてご心配のかたがおられましたら、
ご自分の意志を反映させるには、どのような方法があるのか、
その場合のメリット、デメリットは何なのか、
など、具体的な方法について、検討されることをおすすめします。
そして、良い方法がみつかれば、次はそれを形にしていきましょう。
当事務所でも、そのためのアドバイスをご用意しておりますので、
お気軽にご相談下さい。















投稿者 南舘・北川・伊藤法律事務所 | 記事URL

2013年2月 8日 金曜日

遺言知識②~代筆で作った遺言書は有効?~

当サイトにお立ち寄り頂き,ありがとうございます。
弁護士の伊藤崇です。

「亡くなったお父さん(お母さん)は,高齢で手が震えてしまうので,私がお父さん(お母さん)の言葉を聞いて代筆して遺言書を書いた。」

高齢や病気のために自分自身で遺言書を書くことが難しく,
そばにいる御家族に代筆して遺言書を書いてもらった,
この遺言書は有効にならないのか?
そういった御相談を頂くことがあります。

遺言書には大きく言って
①自筆証書遺言
②公正証書遺言

の2種類があります。

自筆証書遺言は,遺言をする人自身が作成する遺言書で,
公正証書遺言は,公証役場で作成してもらう遺言書です。

自筆証書遺言の作成方法は法律で次のように厳しく定められています。

民法968条1項
「自筆証証書によって遺言をするには,遺言者が,その全文,日付及び氏名を自署し,これに印を押さなければならない。」



この法律に規定されているように,自筆証書遺言の場合には遺言書に記載する全ての文書(=全文),日付,氏名を自分で記載(=自署)しなければならないのです。

ですから,代筆で作られた遺言書は原則として無効,ということになります。


では,高齢や病気で自分で遺言書を書けない人は遺言書を作れないのか?
というとそういうわけではありません。

高齢や病気で自分で遺言書を書けない場合には公正証書遺言を作成すればよいのです。

公証役場の公証人に対して遺言内容を口頭で伝えれば,公証人がそれを遺言書にしてくれます。
また,病気などで公証役場まで行けない場合には,公証人が病院まで出張し,病室での遺言書の作成に応じてくれます。

是非,覚えておいて頂きたい内容ですね。

投稿者 南舘・北川・伊藤法律事務所 | 記事URL

2013年2月 7日 木曜日

遺言知識①~口頭での遺言は有効?~

当サイトにお立ち寄り頂き,ありがとうございます。
弁護士の伊藤崇です。

「文書はないが,口頭で遺言をしていった」

「常々,全財産は私に譲ると言っていた」

遺言書はないけれども口頭で遺志を述べていた,
これは有効にならないのか,
そうした御相談を頂くことがあります。

民法では,遺言は原則として書面ですることが求められています。

ですから,上記のようなケースでは
遺言はないものとして扱われ,
法定相続割合に従った相続をすることになります。

せっかくの遺志が生かされないことになるのです。


「遺言書を書いて欲しい,とはなかなか言い出せなかった」

今回のようなケースでは皆さんそう仰います。

確かに言い出しにくいことではありますが,
せっかくの遺志が無になってしまい,
自分の相続を巡って家族で争いになる。

そうしたことはお亡くなりになる方の本意であるはずはないように思います。

投稿者 南舘・北川・伊藤法律事務所 | 記事URL

2013年2月 1日 金曜日

非嫡出子の相続について

こんにちは、弁護士の北川ひろみです。

今日から2月が始まりましたね。
あっという間に過ぎてしまった1月でしたが、
安倍新政権のもと、新しい政策が次々打ち出され、
相続対策に関しても、孫への教育資金の贈与に関する減税
など、気になる動きがみられました。

裁判例に関しては、非嫡出子の相続分についての規定が
憲法違反であるとする判決が出た(言渡は11月とのことで
す)ことが、報道されました。非嫡出子(ひちゃくしゅつし)
とは、婚姻をしていない男女の間に誕生した子のことをい
います。民法900条は、この非嫡出子の相続分を、嫡出子
(婚姻している男女の間に誕生した子)の相続分の2分の
1と規定していますが、この規定が、憲法の定める法の下
の平等に反するのではないかという議論です。

この点に関して、最高裁は、違憲ではないとの判例を維持し
ていますが、高裁レベルでは、事案によって、この規定を適
用することは憲法に反するとの判決が出ています。報道され
た判決は、地裁判決ですが、この流れに沿ったものです。

確かに、子どもは、どのような関係の両親から生まれるかに
ついて、何の選択権もありませんし、責任もありません。
また、近年、夫婦や親子のあり方は多様化しており、我々の
意識も変わってきています。ヨーロッパをはじめとする海外で
も、相続分を平等にすることが趨勢となっています。今後、明
治時代に設けられた内容のこの規定を、いつまで維持してい
くのか、立法的解決も含め、議論するときに来ているように感
じます。








投稿者 南舘・北川・伊藤法律事務所 | 記事URL

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