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2012年10月29日 月曜日

「終活」として、遺言書を作成する場合

最近、「就活」ならぬ「終活」という言葉を耳にすることがありませんか。

「終活」、つまり、人生のエンディングに向けて、いろいろと整理、検討をする活動といったところでしょうか。
具体的には、資産や身の回りの物の整理、遺言の作成、保険の整理、葬儀やお墓の手配、介護、延命措置など、
様々なテーマが考えられます。
少し前には、「エンディングノート」が流行っているとも聞きました。そこには、遺族への思いのほか、
葬儀や延命措置についての希望や、取引のある銀行の預金口座や保険の明細を記したりするようです。

確かに、
遺言をのこさずにお亡くなりになった方の場合、遺されたご家族では、
どこの銀行と取引があったのか、通帳や証券類がどこにあるのか、などがわからず、
相続の手続に手間がかかることがあります。
中には、一緒に暮らしていた家族が、他の家族から、遺産を独り占めしたのではないかと疑問をもたれ、
感情的な対立に発展するケースもあります。

そこで、
遺された方々が困らないように、自分のためにケンカをしないように、との思いやりから、
終活に取り組む方がおられるのでしょう。

その意味で、「終活」を考えることは、とても有意義なことだと思います。

ただ、「終活」として遺言書を作成する場合に注意して頂きたい点として、
遺言書には、法律で定められたいくつかの要件があり、その要件を満たしていないと、無効になってしまう、
という点です。
「エンディングノート」に、遺産の分け方を書いておき、これで万全だと思っていても、
例えば、印鑑が押されていなければ、遺言としては無効です。
以前、ご主人が、ノートに、「自宅は妻にやる」と書き留めてくれているので、相続できるのではないか、
とおっしゃられた方がいました。
しかし、そこには、日付けも押印もなく、遺言書としては無効と言わざるを得ませんでした。
闘病中のご主人が、遺される奥様のために、精一杯、書かれたものだとわかっていても、です。

このように、亡くなられた方のせっかくの思いが実現できなければ、
これほど悲しいことはありません。
終活をする中で、遺言を書こうと思われたときには、どうぞ、
  遺言書にはいくつかの要件が必要である、
ということを覚えておいて下さい。
愛する人への思いをきちんと伝えるための、一手間です。

投稿者 南舘・北川・伊藤法律事務所

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